
「如何にアルメニア人と付き合うか」
さて、実践生活編についても少し書いておきましょう。
ハッキリ言って、アルメニア人は非常に手強いです。
中には鼻をつまんで引きずりまわせるほど素直で従順で正直な人も
いますが、多くのアルメニア人は非ッ常ー!にクセがあります。
恐らく、迫害や虐殺といった歴史を背負っているからでしょうか?
それに追討ちをかけるかの如く、「ソヴィエト」というとても特殊な
社会システムの時代を70年近くも過ごしてしまったからでしょうか?
一筋縄ではいかない、論理構造が非常にネジれている人が多いです。
コレはアルメニアで生活をしている時に非常に困る事があります。
全ソヴィエト人の基本的な考え方の一つに、くどいようですが
「時間は無限にある」という考え方があります。
なもんだからアルメニア人も他のソヴィエト人同様に
「時間を守る」という概念が基本的にありません。
真夏の気温40度を越す日に外で待ち合わせしたり、厳寒期の
気温マイナス10度の寒空の下、屋外で待ち合わせしてて1時間も遅れて
こられたら、どんな寛容な人でも間違いなくキレます。
なので、基本的にお互いの家かカフェやらレストランで
待つようにした方が懸命です。
コレはアルメニアで穏やかな毎日を過ごす為の「知恵」であります。
経験的に30分くらい待たせるのは良い方で、ヒドイ時は
5時間も待たされた事がありました。
コチラでは「ガス」は自分でガスボンベを買ってそれをガスを売ってる所まで
持っていって買ってくる必要があります。面倒くさい事この上ないです。
ですが、ソコは「商業と交易の民・アルメニア人」。非常に便利なサービスを
考え出してビジネスに結び付ける抜け目の無い人達も沢山居ます。
電話をして、住所を言えば少し割高だけどガスを家まで持ってきてくれる
という非常に素晴らしいサービスです。まるで「資本主義国」のようですね(笑)!
ですが、僕はコレに思いっきり騙されました。
電話したら「30分以内に行きます」というので待っているのですが、
待てども、待てども来やしません。
流石に2時間待っても来ない事に怒って「どうなっているんだ?」と
電話で聞くと「今、ソチラに向かっている真っ最中です」と言う。
更に待つのですが、、、全然来る気配すら無い。
でもって、その3時間後にまた電話すると「ドライバーが現在道に迷っているようです。
もう少しお待ち下さい」とテレフォンアポインターは冗談みたいな事を言う。
住所のほかに、目印になるお店やら建物やらを何度も繰り返して
言ったのにも関わらず、こんな調子です。
確かにソヴィエトは日本ほど「住所」という概念が厳密ではないのですが、
それにしてもアボヴィアンという誰でも知ってる広い通りに面した
アパートを見付けられないとなると、、、この商売も先が暗いですね。
結局、その日「ガス売り」の人は現れませんでした。
丸一日待ったのに、、、アホみたいですね、俺って。
ソヴィエトという「特殊なフィルター」がかかってしまった為に
なんともマヌケでお粗末な事をするあたり、なんとなく憎めなかったりして、、、
律儀に日本人らしく「待ち合わせ時間の5分前に来て待っている!」
なんて事をこの国でしてると、間違いなく3日で気が狂います。
僕は例の「5時間ひたすら待たされた」時、相手に文句を言ったら
「何で君は怒っているのだ?俺はチョット傷付いたゾ!」と
軽く返されてしまいました。脱力感とカルチャーギャップに戸惑った瞬間です。
この国ではそれが当たり前なのです。ですがごく、ごーく!稀に時間に律儀な人も居ます。
そんな時間通りに来る律儀なアルメニア人に対しては「地獄に仏だッ!」と言わんばかりに
ついつい必要以上に親切になってしまったり、レストランに一緒に行って
ご馳走してしまったりと何故かサービスしてしまう自分って、一体、、、?
あと、買い物も大変です。外国人だと見るや否や、値段をふっかけて
ボろうとする人も少なくありません。
特に「ラズダン」というマーケットは地元のアルメニア人に対してでさえも
ボろうとします。ここだけは非常に「鬼門」です。
ですが、ラズダンやらバングラデシュという巨大マーケットには
「観光客が買いたくなるようなモノ」は特に売っていなかったように
記憶しています。興味が無ければ旅行者はパスした方が良いです。
アホみたいに人が沢山居るので、疲れるだけですよ!
「全く同じプロダクトがアソコでは24ドルなのに、何でアナタは40ドルと言うのだ?」
とガイジンらしい優等生的な質問をしようものなら、
「私はこの値段でしか売りたくないのよッ!」と、理屈もヘッタクレも無い事を
堂々と言われてしまいます。この値段交渉が面倒くさい事この上ないです。
歴史上、「民主主義」と「資本主義」という概念が全く存在しなかった国です。
先進資本主義国のようなサービスなんてアルメニアに住むようになる前から
全く期待していなかったので、そこまでは理解出来ます。
そして、「需要と供給」の理論がアルメニア共和国、及びアルメニア人に
概念として理解されて、根付くようになるには恐らく100年くらい掛かる事も
十分承知しています。
でも、幾らなんでもボッタクリ過ぎだゾ!!!
10ドラムだってガイジンからはまけない!というのは悲し過ぎる、、、
特に日本人だとバレると、俄然目が輝きだす人もいるので注意が必要です。
そんなワケで、僕は全ての商品に値段が付けられてる
スーパーやらお店やらでモノを買うようにしています。
そんなお店では基本的に安心して買い物が出来るハズです。
たまに確信犯的につり銭を誤魔化したり、レストランでの勘定を
誤魔化して上乗せする悪辣な従業員もいますが、
経験的に殆どのお店はキチンとしています。
両替所で誤魔化された事だって、ただの一度も無かったです。
その辺は非常にアルメニア人はキチンとしています。
住んでいて気が付いたのですが、意外とアルメニア人は
計算が苦手な人が多いようです。
日本人なら頭でスグに暗算出来るような計算が出来ない事も
あるようです。
何度か「アレ?つり銭が足りない」と思って問質すと、
慌てて計算機で計算し直して「アー!ゴメンなさい!ゴメンなさい!」
なんて事も何度かありました。
顔見知りなので、意図的なものでは無いと思います。
そうそう、お店の人と仲良くなると半端な端数はオマケに
してくれたりします。この辺は非常にガイジンだから得した事ですね。
付き合い易そうで、なかなか手強いアルメニア人です。
ですが味方になってくれると、それこそ心強い人達でもあります。