「空港にて、、、」


6月末から8月頭にかけて、およそ1ヵ月半ほどウクライナに滞在していました。

本当はこんなに長く滞在するハズではなかったのですが、結果的に1ヵ月半も滞在する羽目に
なってしまいました。2週間でアルメニアに戻る予定だったのにぃ。。。

その日、その日、思った事や目撃した事、自分の身の上に実際に降りかかった出来事等を
こまめにメモしていました。
しかし、、、到着直後はこんなにも波乱に満ちた「濃い!」ウクライナ滞在になるとは思っても
みなかったのですが、、、

つれづれなるままに書き綴ったメモ(日記?)を全てではないのですが、少しアレンジして
ホームページに載せてみようと思い、メモを見ながら思い出せる範囲で書き綴っていこうと
思っています。

6月22日。

ウクライナのダニエツク空港に到着する。毎度の事ながら職員の態度が非常に悪い。
所持金の事で職員に強く詰め寄られるが、一切無視!
しかし、相手もなかなか折れない。書き込んだ書類に不備があるから
裁判所に行って貰わなければならない等とワケの分からない事を言い出す始末。

散々「ウクライナ語は分からないから、ロシア語か英語のドキュメントを寄越せ!」と
言ったにも関わらず結局くれなかった。キエフにはあるのを知っているから無いハズがない。
かと言って、ウクライナ語で書かれているドキュメントを翻訳してくれるワケでもない。
職員は「忙しい」と言いながら、何もしていない。由緒正しき「ソヴィエト型公務員」である。

「あ、そう。じゃ、裁判所に行くよ。その前に日本大使館と連絡を取ってこの書類を見せて
何処に不備があるのか確かめて貰う」と言ったが、向こうにしてみれば「久々に網に掛かった
獲物(外国人)だ!逃してなるものか!」と、賄賂をムシリ取りたい一心らしい。

大体、書き終えてもいない内に突然ドキュメントを取り上げてスタンプを押した職員に
非が有る事は間違いない事実なのだ。コチラには何の非もない。

しかし、相手も執拗に食い下がる。一人の係員が脅してきてもう一人の職員がなだめる。
昔からあるソヴィエト式の交渉術だという事は分かっていたので、コチラも長期戦に構えるつもりだった。

まるで話の通じない、理論が一貫しないアルメニア人と渡り合って来た自分だから
ノラリクラリと適当にかわすつもりでいた。相手はジリジリしている。
何を言われても「のれんに腕押し」させていたので相手がついに「キレた!」らしい。

「荷物検査、及び身体検査をする!」とのたまったものだ。

ワシ:「そんな事をされる覚えは無い!断固拒否する!」

職員:「不審者は規定に沿って扱われる。」

ワシ:「どこが不審者だ?この通り3ヶ月有効のヴィザも大使館から買って持っている。」

職員:「理由は明かせない」

ワシ:「断る!」(職員がブチ切れて喰ってかかろうとする。)

この後、殴り合いにならんばかりの空港中に響き渡るような凄まじいまでの罵り合いが
始まってしまい、お互い引くに引けなくなってしまった。

女性職員の前であるにも関わらず、「女性器系」の罵り言葉を相手に向かってブチまけていたのは
今思うと非常に恥ずかしい、、、相手の剣幕に負けまいと机は叩くは、蹴り上げるは、、、

が、ココで「譲歩」なんかすれば幾らむしられるかわかったもんじゃない!という思いから
「ブタ箱にブチ込まれる寸前までは激しく交渉しよう」と心に決める。

恐らく相手の職員も「普通の日本人だったらココまで脅せば素直に金を出すのだが、、、」と
思ったのかもしれない。冗談じゃない!空港職員にくれてやる金等はないのだ!例え1ドルでも。

もしかしたら空港職員は給料が無いのかもしれない。遅配や欠配等の理由で。
たとえ貰っていたとしても、家族を養うのに十分な額ではないのだろう。
だから不備の無い外国人が書き込んだドキュメントにイチャモンをつけて
金を(賄賂を)取ろうとする習性がついてしまったのだろう。

が、そんな事は俺の知った事ではない。恨むなら俺じゃなくて国を恨め!

周囲に居る空港職員が全員出てきた。どうやら自分が最後の客らしい。他の職員は早く帰りたいのだ。
女性職員の表情は「またか」という感じ。少し外国人の自分には同情的な様子である。時刻は、、、真夜中だ。

男性職員は「外国人・イコール・葱を背負った鴨」と思っているのかもしれない。
このようなケースだと、「日本人は脅されて泣き寝入りする」か「面倒臭いから払う」という
安易な選択肢を選ぶのかもしれない。が、後に来る日本人の事も考えるとそれをしては
いけないような気がする。「日本人、組み易し!」と思われては後続の日本人に迷惑が掛かる。

ソ連人は政治家に限らず「ブラッフ」をかけるのが非常に上手い。
それは男性に限らず、女性でも。日本人として素直に感心する所である。

が、その「ブラッフ」を馬鹿正直に聞いていたらそれこそ身包み剥される。
連中はそれこそ「厳しいソヴィエト社会」を生き抜いた百戦錬磨の猛者なのだ。
コッチも向こうが「絶対に殴ったり出来ない」事を知っているから、机を壊れるほどに
蹴っ飛ばしたりして「丸腰でも戦うゾ!」と意思を表示しなければならない。

結局、消耗戦は引き分けに終わった(と、自分では思ってる)。

冬に来た時に使い切れなかった10グリブナを職員のノートに忍ばせて出して貰った。
最初「100ドル寄越せば見逃してやる」等と言ってたくらいだから、適当な所で
お互いに妥協した、と言っても良い。本当は10グリブナだって、やる義理はないのだが。

非常に疲れた。物凄く嫌な思いもした。が、コレが旧ソヴィエト圏の現状なのである。
「賄賂」抜きでは全ての物事が前に進まない所は悲しい事だが「中国」と一緒だ。
(話によると特に「ダニエツク空港」はウクライナの数ある空港の中でも「鬼門」らしい。)

が、、、実際にアルメニアで暮らしていても人々の生活が苦しい事は嫌でも分かる。そして
一般公務員の給料が「バカ安い」事を考えると、知恵の一つとしてこんな行動に出てしまうのかもしれない。
シツコイようだが、だからと言って同情する気はサラサラ無い。

自分としては全く同情の余地は無い!よって、このような空港職員の悪行は許せん!
今度ウクライナでコレをされたら10グリブナに「痒くなる薬」を塗っておくとか、
お札を折りたたんでおいて、ソコに「ゴキブリの死骸」を入れておくとか、
カミソリを忍ばせておくとかしてやろう!そうだッ!そうだッ!そんな事もして良いのだ!

ヘトヘトになって、空港を出ると友人・サーシャが待っていてくれた。

「いやぁ、、、なかなか出て来ないから飛行機に乗れなかったんだと思ったよ。
出てきた乗客に聞いたら確かに東洋人は居たというから待ってたケド、、、。
え?空港職員に金を集られた???あー、日本人は特に気を付けないとねー。
まぁ、とにかく疲れてるようだからスグにアパートに行って寝なさい。
ホレ!コレでも飲んで!(と、ヴォトカを渡してくれた。どうやって運転するんだ?)
え?飲んでいたのかって?だって、待てども待てども出てこないんだもの、、、」

キオスクでヴォトカを置いてるところは、いかにもウクライナとロシアらしい。
車の運転をしなきゃいけないと知っていても、飲んでしまう所がいかにもロシア人らしい。

アパートに到着した後、サーシャにアルメニアのブランデーをあげたら喜んでいた。
ついでにアルメニアで冬に大変お世話になった「アホートニク」というヴォトカをあげたら、

「飲もう!飲もう!ヤー、長旅ご苦労だったね。」とサーシカ。

冬もカッパカッパ飲んでいたもんなぁ、、、よっぽど好きなんだなぁ。

少し飲んだ後、余りにも疲れていたので、とにかく寝る事に。しかし、思いの他夏のウクライナは暑かった。
夜、寝苦しい等と思った初日。汗だくだったが眠る。この後、苦難の日々が続く、、、